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第八話 歓迎の宴

last update Last Updated: 2025-02-19 02:26:43

歓迎の宴は 華やかなものであった

黒の黄金の瞳、片方は戦で無くしたという長い黒髪をした王

黒の王族は長いエルフのような耳の持ち主達

「エリンシア姫・・我が王妃 黒の王妃アリアンです」

「アリアンですわ エリンシア姫」

片眼の黄金の瞳をした黒の王に紹介されて 王妃アリアンは微笑んで答える。

胸元のすぐに金の宝石の付いたベルトで、衣装を留め

胸はウェーブを描く絹の衣装で半分覆い、剥き出しの肩、腕に手首には純金と宝石の腕輪

ゆえに豊かな胸の谷間が見て取れ、谷間には金飾りの大きなエメラルドのブローチ、白に刺繍入りの赤い生地を使う、美しい身体のラインに纏い付くような衣装

真っ直ぐな艶やかな長い黒髪は一部を複雑な形に束ね、残りは流して、宝石の付いた大きな髪留めに、真珠のついた、銀と金細工の花に小さな蝶のピンを複数差し込んでいた

アリアン王妃の前髪は長く、左寄りの位置から分けて、流している。

「見事な金の髪に、変わった美しい瞳の持ち主ですね、エリンシア姫」

彼の片眼の金色の瞳がエリンシアを見つめ、彼のエルフのような耳がピクリと動いた。

「有難うございます」

「娘のテインタル姫です」王が紹介する。

「テインタルです、これから宜しくお願いいたします」

美貌の母親に似た、エルフのような耳に綺麗な顔立ち 焔の瞳を持つ少女

「アリシュア王子です」

アリアン付きの女官の腕に抱かれた王子・・すやすやと眠っている

先程、赤ん坊を見た時にはその瞳は金色

どうやら先読みの予言では 次の王は焔の力を受け継ぐ者

火竜王(サラマンデイア)を名乗り黒の王となるはずの者

赤ん坊は焔の力は受けつかなったようなのだが・・?

中級レベルの炎なら扱えるはずだが‥

・・では、少女が女王となり、この黒の国を受け継ぐのだろうか?

黒の王と赤ん坊の王子の金色の瞳

火、水、風、大地すべての属性と守護を合わせ持ち それらの魔法を全て使いこなす

また、時に相手の心が視えるだけでなく 

先読み・・過去見と予知の力を持つという ゆえに竜の王と呼ばれる

長年戦続けていた

白の国の場合は 白の王族の属性もまたそれと同じく近い 幻惑と幻獣に特に特化している

「エリンシア姫は羽琴の名手だという御話を聞きましたが?」

「はい、白の宗主様の御前や宴では演奏いたしました」

「では一曲 所望しても構いませんかな?」黒の王アージェントが問う

「はい 黒の王様 なんなりとご所望の曲をどうぞ・・」とエリンシア姫は微笑み答えた

見つめる黒の王・竜の王の金色の瞳に 

何か心の琴線に触れる思いをエリンシアは感じた

それから 何事もなく、平穏な日々の数か月の時が流れ・・

エリンシア姫は この黒の王宮に庭の眺めの良い大きな部屋を与えられ

数人のエリンシア付きの女官が従い 事細かい要件をこなしてくれた

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  • 羽琴の姫君…羽琴をつま弾く哀しき姫の願いと流転する悲劇の果て2   第48話 数年後…悪夢の再来

    其れは悪夢の再来と…白の姫エリンシアにとっては信じられない戦の始まり数年の月日が流れて…生き残った黒の王子達により、黒の王国が奪還され…数年後一度滅ぼした黒の王国、国交が悪くなった白の王国との小競り合いが続いていたそんな、ある日の事◇ ◇ ◇巨人族の国では まだ長く寒い冬の中だった 雪が国中を覆うエリンシアは暖炉で暖まりながら 椅子に座り 温かなミルクで作ったシチューをティナと食べていた。「ママ、また、魔法画の幻獣達に綺麗な黒のティンタル様とお茶したり、遊びたい、其れからサウナ、スチー厶バス、蒸し風呂」ティナの言葉に微笑して頷くエリンシア魔法画の幻獣達は数日に一度、城を抜け出してはエリンシアとティナに会いに来るのが日課となっていた。時々、ティンタルとも鉢合わせしたならば、皆で楽しく過ごす事も…。其れから泊まりに来た黒の王女ティンタルサウナに幾度か共に入ったが、彼女の白磁のような滑らかな綺麗な身体には呪いの入れ墨切ない表情のティンタルを思い出す家のドアが開き、夫のアーサーが帰宅した。「ただいまエリンシア、ティナ」「おかえりなさいパパ」其れから、食事をしながら彼は言う「今度、大きな戦がある」アーサーは言った「王は 貴方に 私が戦に行ってる間 王の城に戻るようにと 命令された」「・・・」もしや・・王は また私を?そう思い、顔色を変えるエリンシア「王命には逆らえない」少し震えて自分の手を握り締めるアーサーもそう思っている様子もう一つ、アーサーは白の姫であるエリンシアに言えない事があった。黒の国から敗退した後、次に巨人族の王はエリンシアの故郷、白の国に侵略を開始今度は白の国の侵略ため息をつく◇ ◇ ◇次の日、荷物をまとめ子供のいない優しい叔父夫婦に子供のティナ預け 「良い子にねティナ」「ママ、パパ」アーサーは戦場にエリンシアは 巨人族の王の居城に向かう別れ際、エリンシアとアーサーはくちずけを交わすその後、間もなく「街で白の国の民が大勢、連れて来られた、奴隷市場が賑やかになって」「生憎、今は白の貴族でなく、国境の普通の人族ばかりだ」「巨人族の王は今度は白の国を手に入れる気だ」王城に向かっていたエリンシアに聞こた会話に街中で荷馬車の鉄檻の中で泣く白の民達の姿街の騒ぎを偶然、耳にして

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